DIA-ダイヤ-
「とりあえず、座れよ」


「…うん」


悠斗はベッドに、私は少し離れた所にテーブルを挟んで座る。


見慣れたはずのこの部屋の空気だけがいつもと違う。


少しの沈黙のあと悠斗が口を開いた。


「なんだよ、あのメール。手首切ったってさ、俺への当て付けか?」


「え?違うよ。そんなじゃなくて…」


私はカーディガンの上から包帯を押さえる。


「あの男がいいんなら、あっち行ってもいいんだぜ?」


「そんな…、私が好きなのは悠斗なんだよ?」


(そんなの私の気持ち試してるだけだよね?)


悠斗の冷たさを認めたくなくて、心の中で必死に悠斗の真意を探す。


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