DIA-ダイヤ-
「好きだから…、無理なんだ」


私は頭の中がパニックになった。


(好きなのに別れるって?どうして?嫌いになってないのに?)


全身の血が引いて冷たい汗が出てくる。


指の先が痺れてきて息をするのも忘れそう。


「やだ!私、悠斗と別れない!絶対別れない!」


そう叫んで錯乱した私は、包帯の上から強く自分の手首をかじりつけた。


昨日の傷口が開いて包帯に血が滲む。


「おい!?」


悠斗が駆け寄り無理矢理私の口から手首を引きはがす。


「いやぁー!!」


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