DIA-ダイヤ-
「いやだよ…。悠斗がいなくなるなんて、怖い、怖いよ」


しがみつく悠斗の体が小さく震えている。


「ごめん。俺どうしても許せねぇ…。お前といたいけど、許せねぇんだ。……許してやれなくて、ごめん」


許せないことを自ら責めている悠斗の姿。


「そんな…」


(…もう、ダメ、なんだ)


昨日感じた恐怖が現実になる。


私は力が抜けるように悠斗から手を離した。


(こんなにあっけないものなの?)


ただ立ち尽くすだけの二人。


信じられない気持ちのまま、泣き崩れそうになるのを堪えて悠斗に気持ちを伝える。


「…今までごめんね。…私ずっと、悠斗を忘れないよ」


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