DIA-ダイヤ-
「ハルカちゃんが自立して一人でも頑張れるようになったら、自然と居場所もできているでしょうね」


なんだか今の自分からはかけ離れていて、全然想像ができない。


…でも。


「ねぇ先生、私ちゃんと居場所見つけられるかな?」


私の目をじっと見て先生が答える。


「私はそう信じていますよ」


そしてニッコリと笑った。




診察を終えて病室に戻った私は先生の話を思い出していた。


どうせ自分はなにもできない人間だと卑下し続けてきた私には、新鮮な言葉。


「あ…、私って…」


考えているうちにふと気付く。


「今までずっと、逃げてたんだ」


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