DIA-ダイヤ-
「あいつ、自分の誕生日なのに俺にプレゼントかよ」


読み終えた悠斗の瞳から、一筋の涙がこぼれ落ちる。


ハルカを許せなかったことを、心のどこかで責めてきた悠斗のひざまずいたままのあの日の影が、スーッと消えていくのを実感した。


「ハルカ、ありがとう。お前と出会えて本当によかった」


手紙を胸に押し当ててそう呟く。


ハルカからのプレゼントは、一生懸命愛した記憶と一緒に大切にしまっておくことにした。


これから来る自分自身の誕生日まで。









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