DIA-ダイヤ-
「よお」


こっちを向いたまま悠斗が手を挙げた。


(気づいた!)


早鐘のような鼓動、でも。


(もう心臓なんか気にしてらんない!)


「悠斗…さん?」


「あれ?なんか昨日と雰囲気違くない?」


(またキャップで口しか見えないけど、その方が少し楽かも)


「そうかな?悠斗さんは昨日の雰囲気のままだね」


グレーのカウボーイシャツに昨日より太めの濃いジーンズ、そしてあちこちジャラジャラ。


「そっか?」


私は緊張しているのを悟られないように装った。


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