DIA-ダイヤ-
「フラれるってマジ焦ったわ。人生初の危機的状況だったぜ」


「ふふっ、なにそれ。でも私もフラれるかもって怖かった。同じこと考えてたんだね」


「…ずっと一緒にいような」


耳元で囁くように悠斗が言う。


(すごくすごーく、幸せ…)


「うん」


新しい涙がポロリと一粒落ちた。


嵐のあとの穏やかな静けさの中で、生きてきて良かったと初めて感じたひと時。


気がつくと夜も更けてきていて、帰らないといけない時間が近づく。


< 83 / 206 >

この作品をシェア

pagetop