DIA-ダイヤ-
「そんじゃ、またな」


手を挙げて、いつものようにアッサリ私に背中を向けて行ってしまう悠斗。


毎回私は小さくなるまで背中を見送るけど、この時悠斗は振り返らない。


(行っちゃう…)


そう思った瞬間、私は悠斗の背中に向かって走り出していた。


「悠斗!」


立ち止まって振り返る悠斗の胸に、駆け寄ってギュッと抱き着く。


悠斗も抱き締め返してくれる。


「…お前って、ホント可愛いわ」


悠斗に褒められるとすごくすごく嬉しい。


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