新撰組と少女
「土方さん。鳳上院です」

「おう、入れ」

「失礼します」

襖を開けて中に入る

「どうした?」

「あの、小耳にはさんだのですが、
 局長である芹沢 鴨さんの
 暴力がひどいらしいですね」

「・・・」

「それは、今に始まったことではないですよね?」

「・・・おまえ、それをどこで」

「答えてください。
 ・・・小耳にはさんだって言ったじゃないですか。
 隊士さんがいってるのを聞いたんです。

 私は屯所に身を置かせていただいている身です
 それくらい、私に教えてくださっても
 良いですよね??普通は。
 っていうか、それが人情ってもんじゃないんですか?」

笑顔で、冷静に
一気に言った。

「はあ・・・
 お前がどこでそれを知ったのかは知らんが・・・
 芹沢さんのことは今に始まったことじゃねえよ。」

やっぱりな~・・・

「今回は呉服屋の女将と聞いていましたが、
 他にはどんなのがあったのですか??」

「呉服屋以外にも自分の気に食わない者が
 いればそいつらは対象になる。
 ・・・今までにそんな奴は数えきれねえくらいいたよ。」

はあ~、と重いため息をつく土方さん

「たとえば?」

「不機嫌な時はただ道にいるだけなのに
 邪魔だ、といってその辺の浪士を
 鉄扇でなぐったこともあったな・・・」

・・・そんなことは今までに
数えきれないくらいやってきたのか・・・

しかも、本人に
反省の色はなし。

「そんなことがあったのですか・・・」

これだけじゃ、情報が足りない


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