新撰組と少女
なぜ、こんなにも沖田の機嫌が悪いのかというと----

「・・・総司もいいんじゃないか?
 そろそろ、鳳上院離れするいい機会だろう。
 
 たとえ、鳳上院が隊士になってほかの隊士たちに存在を知られ、
 しかも、所属が他でもない2番隊だろうが。」

ぐさっ、と沖田の心に齋藤の言葉が突き刺さった。

「・・・一君、それ、嫌味?」

「そんなことはない。
 この頃、鳳上院ばかり構っているせいか、本人も困っていたぞ?

 その度に助けを求められるこっちの身にもなれ。」

やっぱり、嫌味なんじゃないかと沖田はため息をつく。

最近、沖田はゆらにばかり構っていた。

事あるごとに「甘味処に行きましょう!」や

「ゆらさん、これ着てみてください!!」

などといって、女用の着物まで買ってきたことがあった。


最近はそれがしょっちゅうのことでゆら本人も困り果て

沖田が帰ってくる気配を察知すると一番安全な

齋藤の部屋に逃げ込むのだ。


それが続き、さすがに、齋藤さんにも迷惑だろうと思い、

土方さんに相談したところ、

「1人部屋を用意する」とは言ってくれたものの

条件付きで、その条件というのが

『一番隊以外の隊の隊士として働く』

という物だった。


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