レボリューション剣の会湯の街解放同盟
僕は、藤本が哀れになった。
同級生に次郎のような男が居てそれを尊敬しながらもだんだんそういう自分自身が惨めに見えて来たのだろうか?
分からない訳ではない。
だが、こういうやり方は、おかしい。
人には、役割がある気がする。
トップを取れなくても自分の役割を果たすべきだろう。
皆が、トップでは何も成し遂げられない。
藤本は、どこかで自分の役割をひがみ始めたのだ。
「そこに、温泉が出た。
いっその事、お前を抜くなら手土産を持って抜きたいじゃないか?
俺は、一生お前の下じゃないぞ!」
藤本が叫んだ。
「何を言ってんだか?あんた、だんだん話せば話すほど惨めになってるよ。」
愛弓が冷たい目で言った。
愛弓には、多分藤本の気持ちは、全く理解出来ないのだろう。
愛弓は、自分自身を信じている。
自信も持っている。
そういう人間には、藤本の気持ちは、欠片も分からないのだろう。
いや、分かってて突き離してるのかも知れない。
誰もが持つ劣等感からくる惨めな嫉妬。
愛弓だって人間だ多かれ少なかれ劣等感からくる嫉妬は、あるはずだ。