レボリューション剣の会湯の街解放同盟
河田も和美も上島も井原兄弟も次郎の意志を分かったようで、特に途中から反論しなかったらしい。
かと言って被害者のような顔をするのは、抵抗があり出来なかったようだ。
問題は、愛弓だった。
愛弓は、延々反論を繰り返し次郎を庇い自衛隊や海上保安庁のやり方を非難し取り調べ官にも得意の金的蹴りを喰らわしたらしかった。
しかし、愛弓は、洗脳が激しいとの一言で片付けられてしまった。
僕達は、信じられない事に無罪になった。
逆に洗脳され脅された可哀想な被害者になっていた。
幸い自衛隊にも海上保安庁にも死者は、出てなかったのも幸いしたのかもしれない。
これが、洗脳だけなら僕達は、罪に問われただろうが脅迫を受けていた事になっていた為に無罪になったのだろう。
他の参加者の中にもかなりの人数が山中金融からお金を借りた事になっていたし、借りてない人達も山中次郎に踊らされた可哀想な人達と言う扱いで全ての人が無罪だった。
僕達が警察を出て外で集まり話していると磯崎が知らぬ顔をして近づいて来て僕の耳元でそっと言った。
「次郎の意志だ。後は、お前さんが自由にすればいいさ。」
磯崎は、それだけ言うとまた知らぬ顔をして去って行った。
僕達は、中央のマスコミに取り上げられ可哀想な人達と言うレッテルを貼られた。
マスコミは、何かひとつの方向にレッテルを貼らないと気がすまないらしかった。
逆に次郎は、極悪非道な男とレッテルを貼られた。
しかし、街の人々は、次郎をそういう捉え方をする人は、少なかったし、僕達をとても温かく迎えてくれた。
吉井組長は、警察の前で僕、愛弓、河田、和美を車に乗るように言って来た。
井原兄弟には、お前達は働きが足らなかったんじゃないかと一喝された。
井原兄弟は、頭を垂れて吉井に謝り僕達の所に来て今回は、迷惑ばかりかけましたが、次の機会をもしも、与えてくれるなら頑張りますからよろしくお願いしますと兄の方が言って来て2人で僕達皆に握手をしながら頭を下げて行った。
「秋山の兄貴これからもよろしくお願いします。」
僕と握手する時には2人揃ってそう言った。