記憶の真ん中。
幼なじみのいいわけ。
-SHIHO-
チュッという軽いリップ音が聞こえた。
その瞬間に感じた温かくて柔らかい感触。
「いただき~」
あと数センチで届く位置にカレの顔が目の前にある。
片目を閉じて、所謂、ウィンクというちょっと小馬鹿にしたような表情。そして、してやったりという行動を象徴するかのようなVサイン。カレは歯を見せながら笑顔でわたしに言いはなった。
「詩歩(シホ)の初ちゅー貰いました!」