記憶の真ん中。
カレ、椎名光太郎(シイナコウタロウ)はわたしの幼なじみ。
昔からみんなの中心にいて、いたずらっ子で、でも憎めない元気いっぱいの笑顔があって、
そう、昔から…昔から、カレに泣かされていた。
いつもいつも人をおちょくってきて、事あるごとに“泣き虫毛虫”と言われ、なにかあれば“お前の母ちゃん出べそ”とからかわれた。
いっとくけど、わたしのお母さんは出べそだったことなんて一度もない。
わたしだって泣き虫毛虫じゃない。
ただ、光ちゃんが好きなんだ。
ずっとずっと昔から。
どんなにいじめられようが、おちょくられようが、あの時から光ちゃんはわたしのスーパーマンだって思ってる。