恋の迷路
うすピンク色
『あっつー!!!』
―8月16日。
道路の黒いコンクリートが、太陽の光を浴びて火傷しそうなぐらい暑さがまして、
セミの声が、どこか寂しく聞こえ響き渡っている、
そんな・・・
夏真っ盛りの日に、
私、藤伊 加那(フジイ カナ) は部活に来ていた。
藤川加那。
年は13歳、身長157。
中学生。
まだ本当の恋を知らない普通の女の子。
私は、たまに思うコトがある―。
本当に人を想うことができたなら・・・
想われたなら・・・
どんな色に染まり、どんな温度を感じることができるのだろう―・・・
桜のように淡く、恋のようにハッキリとした― 桃色??
空のように透き通り、海のように深い―
青色??
それとも・・・
曇ったそらのように鈍く、モヤモヤした心のように濁った―
灰色??