恋の迷路
私は彼から目を離すことさえ忘れて、

彼の動き一つ一つを微量も見落さない。といった感じで、必死に追いかけていました。







「…!…な!!!」


「加那ってば!!!」



『へ??』


急に呼ばれたことで、腰の抜けそうな間抜けな声が零れてしまった。


「さっきからずっと固まってるよ??早く部室行こうよッ!!!」


『え??ぁ…ねぇ!!!千嘉ッ』


「ん??」


『あの人って誰か知ってる??』




あの小さな彼がどうしても気になって千嘉に聞いてみた。



「さぁ??ってか早く部室!!!暑いんだから」


そう軽く流されて、そのまま千嘉に引っ張られながら部室へ向かった。






―名前何て言うのかなぁ??


―1年生であんな男子いなかったから・・・2年生か3年生だよネ??


―結構サッカー上手だったなぁ・・・。



彼の姿を見付けてからは、帰りも家でも次の日も。


ずっと頭から離れなくて、
どんどん彼が私を占領していった。




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