恋の迷路
こうして、

私の何の変わりもない毎日に、彼が少しずつ入り込みはじめたんだ。







まだ、名前すら知らなくて、


出席番号とか、誕生日とか、

携番とかメアドとか、

どんな性格かとか、どんな子が好みかとか、


本当に何にも知らないのに、私の心は・・・

まだ、本当の“恋”を知らない、私の真っ白な心は―・・・





いとも簡単に、

薄いピンク色へと染められていきました――。





初めて経験した、消せない感情。



どうしていいか分からなくて、

ただ彼を目で探す日々が続きました。








小さな願いの砂時計は、

ゆっくりと、しかし確実に砂が滑り、


まだ真っ白だった明日に、色が着く―・・


薄く、淡い

桜のようなピンク色―




< 7 / 9 >

この作品をシェア

pagetop