千年真祖は嘲笑う
やがて地に伏せられた愛馬が血飛沫を上げ、その馬体をただの肉くれと化す。

馬の巨体でさえ耐えられぬ圧力なのだ。

当然俺の肉体も。

「!」

その強大な重力によって粉々に砕かれる。

「いや…違う…!」

イリイアが盲目の瞳を見開いた。

「潰れたのではありませんね?来栖 恭太郎!貴方はその身を蝙蝠に変じただけ!」

「ご名答」

俺は小さな蝙蝠の群れと化したままイリイアの背後をとり、再び元の姿へと戻る。

「お陰で高値で手に入れた愛馬が台無しだ…どうしてくれる?洗礼施行者(バプティスタ)」

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