千年真祖は嘲笑う
神秘ノ書、第三の魔術、『闇』。

何もかもを飲み込み、何もかもを無に帰す殺傷魔術。

イリイアが持つ中でも、切り札といえるものだった。

確かに大した威力だった。

この千年真祖たる俺の身に傷を付けられる奴などそうはいない。

不意を突くという意味でも、この魔術は申し分ない。

ヴァチカンの回し者にしては上出来。

しかし悲しいかな。

この魔術の属性がよくなかった。

『闇』

俺の最も得意とするものだ。

< 16 / 20 >

この作品をシェア

pagetop