千年真祖は嘲笑う
まともに闇の殺傷魔術を食らったにもかかわらず、俺は涼しい顔のまま。

「!?」

逆にイリイアの首を締め上げてやる。

彼女の首を締め上げる俺の手。

その手が伸びているのは、神秘ノ書の『闇』のページの中から!

「く、来栖 恭太郎…何を…!」

「このページは心地いいな…闇に満たされている…俺好みだ」

イリイアの背後で愉悦に表情を歪めながら、イリイアの手にする神秘ノ書の中から手を伸ばして首を絞める。

実に不可解且つ不可思議な光景。

「修道女、戦術は正しかった。奥の手を最後まで隠し通していたのも見事…ただ、選んだ属性がまずい」

イリイアの喉仏を親指で圧迫しながら、俺は嘲笑う。

「全ての闇と影は俺の間合いであり、俺の懐…『闇』を得物に選んだ時点で、お前は俺の掌で暴れていたに過ぎないのだ」

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