千年真祖は嘲笑う
世界に闇と影のある所は、全て『俺の手の届く範囲』。

たとえ何千キロ離れていようと、俺が闇の中に手を伸ばせば距離はゼロに縮まる。

闇と影である限り、俺にとっては間合いなのだ。

それを知らず、闇の力で俺にトドメを刺そうなどと…。

「実に笑止。無知蒙昧な輩のやりそうな事だ。なぁ、ヴァチカンの洗礼施行者(バプティスタ)?」

シスターならシスターらしく、教会で神に祈りだけ捧げていればよかったのだ。

それがノコノコ俺の縄張りまでしゃしゃり出てきて、あまつさえ俺の首をとろうなどと考えるからこうなる。

親指でイリイアの喉仏の感触を楽しむと。

「あぐっ…あがぁああぁあっ…!」

実にいい声で鳴くイリイア。

このまま縊り殺してやりたい衝動に駆られた俺は。

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