千年真祖は嘲笑う
「……!?」

イリイアの首から手を放した。

尻餅をつき、酷く咳き込む修道女。

「な…ゲホッ!何の真似です、来栖 恭太郎!」

「気分がいい」

まだ神秘ノ書を手にしたままのイリイアを一瞥もせず、俺は無防備に背を向ける。

「人間風情が、よく俺を地面に降り立たせ、あまつさえ『闇の間合い』まで使わせた。久し振りに楽しませてもらったのでな…修道女、また俺の首をとりに来い。それまで生かしておいてやろう…何なら…」

肩越しに振り向き、俺は残忍な笑みを浮かべる。

「ローマ教皇、貴様が直々に来てもいいのだぞ…そう伝えておけ」

「くっ…!」

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