千年真祖は嘲笑う
目から派生?

成程…。

馬上からイリイアを見据える。

あの娘が盲目である理由も、あの娘から何故か人体らしからぬ匂いがする理由も、これでようやく合点がいった。

「イリイアとやら…貴様、自らの肉体の一部を代価とし、魔導書を作成したのか。その目を犠牲に精製ノ書とやらも作ったな?」

「犠牲?おかしな事を言うのですね」

今にも笑い出しそうな口振りで、イリイアは告げる。

「犠牲ではありません。私はこの瞳を我が主に捧げたのです。その結果として、神は私に魔を祓う為の力を授けて下さった」

「大した妄信ぶりだ。狂気と言ってもいい」

嘲笑う俺に。

「我が主を侮辱する事は許しませんよ…?」

再びイリイアは精製ノ書を開いた。

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