月ヲも止める鼓動
 彼女は、人体の80%の水さえ、海水で出来ている様に見える。
全てを従わせ、白い顔は、何かを確認するかの様に、仰向けに浮かんでいた。
海水の一部となった腕を挙げて、僕を一瞬で制止させる。
流れる海流の如く、その仕草と連動して闇天を指差した。

溜息が漏れるぐらい、月

それも砂浜にいた時よりも遥かに大きく、圧迫される……鼓動?
そう見上げた僕は、月の鼓動を感じていたんだ。
波動の波まで見えてしまう。

元気なんだな。
月はもっとゆったりした鼓動だと勝手に思っていたのに、あれじゃ太陽みたいだ。
生命はエネルギーを燃やしている。
彼女の小さな口元が微かに動いた。

「あれを動かしているのは、私」

これも海の女王は、海水を吐き出す様に告げた。
僕は、無意識の内に手を君の海水に浮かぶ、小ぶりだと言うと起こるけど、
その胸に置いた。

「三ヵ月後には止まるわ」

これも笑顔で言うんだな。
僕は神秘みたいな物は、人には必要ないと思った。




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