【短】もう一度、君に
契約と想い
『…ほんとに願いを叶えてくれるのか?』
「俺はお前の最後の願いに手を貸すためにここ来た。だから力は貸してやる。」
そう言ってあの世とこの世の番人だ、と名乗る男は俺の前に立った。
「篠崎誠(シノザキマコト)。お前には3日間、森下雫(モリシタシズク)の夢の中に入る事を許す」
『…夢の、中に?』
「あぁ。お前自身が森下雫の夢の中に入り、彼女の目を覚まさせるんだ」
『そんな事出来るのか?』
「あぁ。…ただし、期限は3日だ。3日が過ぎたらお前には天界に来てもらう、もう彼女の側に居られないという事だ」
まっすぐにこっちを見る男に、俺はこの話しはほんとなんだな、と直感的に思った。