ナイショなダーリン-R&M-
和兄ちゃんの表情が止まった。
何も言わない。


「あたし昔のままだった。それじゃ駄目。あたしも頑張るから」


すっと手を出した。
握手、してサヨナラしよう。


「まじかよ」


和兄ちゃんは少し考えた後、手を差し出してくれた。

グイッ---

そのままあたしを抱きしめて、


「幸せになれよ」


そう言った。

涙が止まらない。
いつでも会えるのに。
同じマンションなのに。

和兄ちゃん。
和兄ちゃん。

あたしの憧れだった。


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