淡雪恋話
「え……っと、五月ちゃんと隆志君ですよね?」
二人はクラスメイト。五月ちゃんはクラスの男子のマドンナで、隆志君はクラスの女子のアイドル。
栗色のパッチリとした瞳、綺麗な栗色の髪、鼻筋が通っていて、小口。そして白磁の肌。でも私が一番羨ましいと思うのは、五月ちゃんの唇だ。リップを引いている訳じゃないのに、桜色は反則だと思う。
身長は五月ちゃんの唯一の弱点かな? 150センチちょいしかないみたいだから。
隆志君はバスケ部のエースなんだって。一年生でエースって凄いよね。
元々隆志君は、中学生の頃に弱小だったバスケ部を、全国大会にまで導いたという凄い男の子。
身長180センチって聞くと、凄い大きいイメージがあるのだけれど、全国レベルでは普通だと、いつか誰かから聞いた覚えがある。
隆志君には、私も興味があった。
カッコイイから、という部分もあるのだけれど、彼を観察していると面白い。
五月ちゃんと大体いつも一緒にいるのだけれど、本当に五月ちゃんには弱くて。
五月ちゃんが少しふてくされると、カッコイイ彼がとたんに平謝りしてしまう。
外見のカッコよさとのアンバランスって、とっても魅力的だよね。
その隆志君は、顔立ちがキムラタクヤみたいなの。まあ、だからクラスの女の子のアイドルなんだけど。
身長も普通、顔立ちも普通、特徴と言ったら、眼鏡だけの私とは本当に違う世界の二人。