淡雪恋話
昼食が終わった後、三人で何となく会話を続けていた。
五月ちゃんは今度の冬休み、病院に検査入院するらしい。そう言えば夏休みにも少し入院したって話を誰かが話していたのを覚えている。
「あ、あの、五月ちゃん、何か病気なんですか?」
訊いてしまった後で、即座に後悔した。夏休みにも冬休みにも入院するのに、病気じゃないはずがないのに……。
「うん、ちょっとした病気なの。お医者さんはもう大丈夫だろうって言っているんだけど、お父さんが心配性なのよ」
ああ、そういう事なんだ……。でも羨ましいな。だって家のお父さん、もういないし、お母さんは毎晩酔っ払って帰ってくるし……。
「そう言えば、この前の作文のコンクール、みいちゃん佳作だったよな? 凄いじゃん」
隆志君が言っているコンクールとは、「心」ってお題の作文コンクール。まあ、四百字詰め原稿用紙四枚の規定だったんだけど、私調子に乗って、八枚書いて提出したの。「まあ、ダメモトだからね……」と思っていたら、佳作になってしまった。
どうも内容は認めてもらっていたみたいなんだけど、規定枚数オーバーが響いたらしい。