その手を離さないで
ふぅん。
なるほどね。
そういう場所なんだ。
「なあ優子ちゃん。オレたちが居ちゃいけない場所だから、彼氏見つけたら出ようぜ」
「うん。ごめんね、貴志くん」
うそ~。
貴志ってば、カッコイイよ。
ちょっと、惚れ直しちゃった。
「とにかく、優子の彼氏よ!」
「あっ、いた!」
「えっ?どこ?」
優子が指差した方を見て、あたしは一瞬、時が止まった。
だって、そこには蒼ちゃんそっくりな人がいたから。