その手を離さないで
「うん。いいよ!ありがとうね。付き合ってもらって」
いつもの笑顔で、優子は手を振る。
そんなぁ…。
もうちょっと、蒼ちゃんと話したかったのに。
半ば強引に引っ張られ、お店を出る間際、つい蒼ちゃんを見てしまった。
すると、あたしに向かって、小さく手を振ってくれている。
胸がキュンとする、懐かしい再会。
それは、ただの再会じゃなかった。
だって、蒼ちゃんは、あたしの初恋の人だから。