その手を離さないで


「うん。いいよ!ありがとうね。付き合ってもらって」



いつもの笑顔で、優子は手を振る。



そんなぁ…。


もうちょっと、蒼ちゃんと話したかったのに。



半ば強引に引っ張られ、お店を出る間際、つい蒼ちゃんを見てしまった。


すると、あたしに向かって、小さく手を振ってくれている。



胸がキュンとする、懐かしい再会。



それは、ただの再会じゃなかった。



だって、蒼ちゃんは、あたしの初恋の人だから。




< 18 / 136 >

この作品をシェア

pagetop