その手を離さないで
「どうしたんだよ、未来。何か元気ないじゃん?」
あたしと蒼ちゃんは、数日前から、二人きりで会ってる。
放課後、家に帰ってから、近くを一緒に歩くのが、日課になっていた。
といっても、二回目のキスは無いけど…。
「別に。いつもと同じよ」
近所をフラフラするのは、貴志と優子に見られない為。
悪いって分かってるのに、あたしは蒼ちゃんと一緒にいる…。
「普通じゃなくない?何かあったんなら、言ってみろよ?」