その手を離さないで


「貴志、本当にごめんね」


「それは、何を謝ってるんだよ?」



貴志は、眉間にシワを寄せたまま、怖い顔をしてる。



「あたし、自分の気持ちに気付いたの」


「あいつを好きだって事?」



「うん…。やっぱり、忘れられない初恋の人なの」



貴志には、ちゃんと言おう。


例え、憎まれても、それが誠意な気がする…。




< 62 / 136 >

この作品をシェア

pagetop