その手を離さないで


「あっ、ごめんね。泣いちゃった」



慌てて、手に落ちた涙を拭いた時だった。



「えっ?」



い、今、指が動いた!?


まさか。



息を飲んで、手をジッと見つめていると…。



「やっぱり、動いた!」


ナ、ナースコールよ。


震える手で、ボタンを押した時、



蒼ちゃんの目が、ゆっくりと開いた。




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