その手を離さないで


――――
―――


「来ちゃった…」



蒼ちゃんが悪いんだよ。


あんな事するんだもん。


あたしは、懲りもせず、蒼ちゃんの病院へやって来たのだった。




「蒼ちゃん!」



勢いよくドアを開けると、蒼ちゃんはベッドに横になっていた。



「何だよ。来るなよな」


面倒臭そうに起き上がると、あたしを睨む。




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