いとし、きみ
空ならいい



この感覚は



いつも一瞬しか掴めないもの





それを何度味わっても



時が経てばまるで



あの感情などなかったかのように



消え去ってしまう





それがどんなに痛みを伴おうとも



苦しみに吞まれようとも





泪はいつしか枯れるのです





あの日流した雫も



例外ではなかった





心に刻まれたものとは



忘れたい恐怖にも



哀しみしも負けない



やさしさに満ちたあたたかい記憶です






その記憶の意味を



この胸に問うたとき



すうっと何かが軽くなる





あなたの存在を思い返す度



途切れた明日を



今度はこの両手で



繋ぎ 紡いで 行けば



どこかであなたに



触れられる



そうして



繋げたいと願うならば



目の前に広がる道を



歩かなければ



ならぬのです





もう一度



全力で



生きることに



向き合うとは



そういうこと






わたしのなかの




永久の思い出に




愛し君へ



泪は月へと託しましょう




きみの元へ



届けるのは




何時も



笑顔であるように












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