電車なんか恐くない


『外になんか出たくないよ。』


『ダメよ。病気だったら大変だわ』



血相を変えるママを見ながら


ボクはお腹の辺りをゆっくり撫で回した。




ボクは病気なんじゃない。


この身体の中にミクロデビルを飼っているんだ。



病気だったら



どれほど楽だろうか。



ボクは思わずため息をもらした。




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