恋色語
活動、する?
体験入部の日の昼休み。移動教室から帰ってきている時だった。
「授業延長って…延滞料金払え」
「まあまあ、10分だし。というか渚寝てた」
「うっ、それを言われるとね…。あ…佐織ごめん先にお弁当食べてて」
教科書、ノート、筆箱を抱えて走り出す。佐織は何だろう?といった具合だ。
片桐がいた。階段を上がっていった。あれからどうしたのか気になってたんだぁ。
少しつけてみよ。
「…まだ階段上がってる」
片桐は足を止めずに階段を上りに上る。やがて『立ち入り禁止』と書かれたプレートが吊るされたロープをもまたいだ。
そしてドアの向こうへ。
「むぅ、不法侵入。でもあそこって屋上だよね」
私もロープをまたいでドアを開くと……やっぱり屋上だった。
晴天で、風も心地いいなぁ。……ん、あれ?あいつがいない。
「どこにいったのかなぁ?」
「それは実にいいですね。今度…」
ッ!?やばっ。誰かが…って声からして先生が階段上ってきてる。