恋色語
◇第二章◇
運命の分岐点
また…この夢。
一面何もなく、真っ白な世界。
そこで一人の女性が本を読んでいた。木製の椅子に座って、机に肘をつけて。
前と同じ人。この夢はいつもこの女の人が出てくる。背丈からして、だいたい高校生の上級生くらいだ。
顔は…またうつむいてて見えない。口元が笑った。あなたは誰?私に何か用なの?
女の人が本を持ち直したとき、タイトルが分かった。鏡の…自分。
それが分かったところで仕方がない。でも…たまに見るこの夢は一体…。