やさしい手のひら・前編【完結】
「亜美、少し寝たら?明るいし、俺もいるし寝れるんじゃねぇ?」

「せっかく凌といるのに?」

「まだまだ一緒に居れるだろ」

「うん、わかった」

私は凌のベットに横になり凌に言った

「ねぇ、なんで私をここに呼んだの?」

「うん?俺が一緒に居たいから。あと1人で部屋にいる亜美が心配だから」

「ふ~ん」

「何がふ~んだよ」

凌がふざけて、私の上に乗っかかってきた

私は一瞬目をつぶる

「怖い?」

「…ううん。大丈夫」

「亜美の大丈夫は全然大丈夫じゃねぇよな」

凌は私から離れようとした

「待って、そばにいて。もうどこにも行かないで」

「どこにも行かないから、泣くな」

「私もう一人は嫌。凌が一緒じゃないと嫌」

私は凌に依存していた

「この間言ったじゃん、離れないって、誰にも渡さないって」

「わかってるけど私、不安なの。夜になったら物凄い不安に襲われて、また知らない人が来たらどうしようって。そしたら考えることが大きくなって。それから眠れなくてなって」

「そんな不安?俺を信用できねぇ?」

「信用してる。してるよ。でもあの日、凌って叫んでも凌が現れなくて。またどこかで叫んでも凌は来ないんじゃないかって。もう嫌、助けて…凌」

私は何がなんだかわからない空間に引き込まれる
頭の中がパニックになる
このパニックで眠れなくなっていた



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