やさしい手のひら・前編【完結】
「亜美、大丈夫か」

そう言って私の顔を見つめる

私はコクンと頷いた

男の人という顔つきで私のバスロープの紐をほどく
心臓の音がトクントクンと聞こえる
怖くない凌だから怖くない
私はそう思い目を閉じた

「亜美、怖くなったらちゃんと言え」

そう言って優しく、温かいキスをする
首筋に凌の息がかかる
あの日のことを忘れたい
凌の温もりに抱かれて忘れたい

「アンッ・・・ン・ン」

私を怖がらせないようにゆっくり、
そして愛しそうに抱いてくれる
凌の仕草がたまらなく私を熱くさせ
私達は愛し合った



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