やさしい手のひら・前編【完結】
校内に入り、
1年生の教室の前まで行くと、
クラスの名前が貼りだされていた

「亜美あったよ!」

「どこ?」

私と由里の名前がある
A組・・・
凌の名前がない
また同じではないことに落ち込んだ

「慎と本郷同じクラスじゃん」

「またあの二人一緒?」

「残念だったね。由里」

「まっ、仕方がないね」

そう言っていると廊下の奥からかなり目立つ2人が歩いてきた

「慎ー!」

由里が大きな声で坂下を呼ぶ

坂下は由里に、凌は私に駆け寄った

「凌、髪…」

私はソッと凌の髪に触った
凌の髪は金髪までにはいかないが、
綺麗な明るい茶色になっていた
シャツのボタンも下の方しか閉めていなくて、
ズボンは今にも下がりそうな感じで、
かなり周りから見ても目立っていた

「亜美、スカート短かい」

凌は私のスカートを下げようとする

「いいじゃん」

口を上にあげ言ってみた

「あまり目立つな。共学なんだぞ」

「大丈夫だもん」

「気をつけろよな」

クラスが違ったことを話し、
私達は手を繋ぎ集合場所の体育館へ向かった



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