やさしい手のひら・前編【完結】
「亜美食えよ」

「食べてるよ。でもちょっとお腹いっぱいかも」

「食わないと太れないんだぞ」

とぶつぶつ言いながら私の残した物を食べている

「なんだかお前らって親子みてー」

祐介がそう言い、由里と笑っている

「ひどいよ。私と健太くん、お父さんと子供じゃない」

「お前はまだ子供だ」

プッーとほっぺたを膨らませた

「チョコフパフェ食べるんだろ?由里ちゃんも食べる?」

「あっ、はい!」

由里と2人で頼んでしまった

居心地がいい
自分を飾らなくても素直に健太くんと居られる
凌の時とは違う感覚を味わっていた

「おいしい」

私は久しぶりに食べたチョコパフェがおいしくって
無言で食べていた
そんな姿を健太くんが手を顎に乗せ、嬉しそうに見ている

「うまい?」

「食べる?はい、あーん」

「いいよ」

恥ずかしかったのか、窓の方に顔を向けた

「ほら食べなよ」

祐介くんが

「じゃ俺もらう」

と言った瞬間、

「だめ」

と言って健太くんは私の手を掴み食べてしまった

そんな健太くんを見て由里達はクスクス笑っている

「祐介くんも食べますか?」

由里も祐介に食べさせている

「うまい」

そう言って何口か由里から貰って食べていた
食べ終わり、

「出ようか」

と、なり外に出た

「これからどうする?」

祐介くんか言うと

「俺、亜美と用事あるから祐介、由里ちゃん頼むわ」

「あっ、うん」

由里は恥ずかしそうに下を向いている

「じゃあ由里」

「亜美、夜電話する」

「うん、わかったよ」

私達は違う道へと別れた








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