やさしい手のひら・前編【完結】
いつの間にか寝てしまっていて、
目を開け隣に寝ている健太くんを見つめる

ほんとにきれいな顔でうっとりしてしまう

やっぱりここでも丸くなっていた
そんな姿を見て微笑んでしまう

健太くんの髪の毛を触ってみた

「健太くん・・・」

いつも私を守ってくれて、
いつもそばにいてくれる
こんな私を好きだと言ってくれた
私も今度は守ってあげたいと思った

「う・・・ん」

ハッと、突然目を覚まし、

「あっ、いた」

「いたってなに?」

「いなかったら・・・って思って」

「ここでいなかったらヤリ逃げでしょ」

口を尖らせ私は言った

「ごめんごめん」

私に抱きつき、私の胸にうずくまった

「キャ~くすぐったいよ」

「お前、折れそうな体してるよな。それなのに胸でけぇし」

「もうー馬鹿!!」

こんなじゃれ合い、
凌とはあっただろうか
いつも嫌われないように気を使っていた自分を思い出した

私は健太くんといると普段の自分を出せていた



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