やさしい手のひら・前編【完結】
教室に健太くんが現れて、
盛大の拍手をみんなからもらい、
ヒューヒューの嵐の中、私達は廊下を歩いた

「なんか恥ずかしいよな」

「もぉ、誰のせいだよぉ」

「これで亜美に手を出す奴はいねぇだろ」

「そういう問題じゃない」

笑いながら私の髪をグチャグチャにした

「髪乱れるよぉ」

私の首へ手を廻し、健太くんにぴったり密着したまま歩いた
そんな居心地が私を安心させてくれた
さきほどの凌のことなど忘れて・・・・

居酒屋に着き、

「お疲れ~」

と、みんな乾杯をし今日のライブの話に花が咲いた

「健太には参ったよな」

「またその話し」

「健太くん硬派だね~」

祐介くんが健太くんをからかう

「あとから考えたら、めちゃくちゃ恥ずかしいことしたよな」

苦笑いをして健太くんは私を見た

「恥ずかしいってもんじゃないよ。明日学校行けないよぉ」

「公認のカップルってことで!」

学くんがそう言ってこの場を締めた

「なんかすんごい今日は興奮したよな」

「俺も俺も」

学くんと祐介くんが話した

「でけー会場は違うな。いつかプロになってもっと大きい会場でやりてぇな」

健太くんが自分の夢を語った

健太くん達ならプロになって成功するんじゃないか
私は素人で何もわからないけど、
人を引き寄せる物があるんじゃないかと思った

「いつかオーデション受けたいな」

学くんの言葉で健太くん達はこれからのみんなの未来に向けて盛り上がった



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