やさしい手のひら・前編【完結】
砂浜で本郷と坂下が待っていた

「由里かわい~」

坂下が由里に抱きついた

そんな二人を見てうらやましいと思った

私は本郷がこんなに近くにいても何もできない

「お前もかわいいと思うよ」

「えっ?」

本郷が顔を赤くしながら私に言った

「な、何言ってんの」

私も多分顔が赤い。突然の発言にまた私の心臓は騒ぎだした

本郷は手を口に当ててあっちを見ている

私は本郷に

「ありがと」

ちゃんとお礼を言った

「海行くぞ」

そう言って本郷は私の手を握り、歩き始めた

そんな一つ一つの仕草に私はドキドキして、
もっともっと好きになった



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