やさしい手のひら・前編【完結】
「もうそろそろ始まるね」

咲ちゃんに言われて会場に向かった

会場では相変わらずの人で私達は一番後ろで立ち見していた

「あっ、駿」

駿が彼女と並んでいるのが見えた

「駿いたからちょっと行ってくるね」

私は人を避けながら駿の所まで行った

「駿」

「あっ、姉ちゃん」

「は、初めまして西田です。チケットありがとうございます」

私は

「どういたしまして」

と、ニコッと笑った

駿の隣にいる子は西田真美(ニシダマミ)ちゃんといい、駿と同じ学校の子らしい

「あの彼氏さんがボーカルって聞いたんですけど」

「あっ、うん。そうなの。ゆっくりして行ってね」

私はそう言って駿達から離れた

「駿も彼女いるんだね」

由里が見ていたらしく、私に言った

「生意気だよね」

「亜美、あんたもいたから」

「あっ、そっか」

私も中学の時に彼氏がいた。それが凌。あれから凌には会っていない

「始まるよ」

由里がボッーとしていた私に声を掛けてくれた


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