やさしい手のひら・前編【完結】
居酒屋に着き、飲み物を注文し待っている時

「おー」

と、龍くんが現れた

学くんが

「お前帰るの早いよ」

学くんの話しを聞いているのか、龍くんは私の顔をチラッと見て、なぜか隣に座った

「お疲れさま」

私が声を掛けると、

「あぁ」

それだけ答えた

「亜美、今日は飲むなよ」

「えっーいいじゃん。少しだけだから」

そう言った時、龍くんが

「飲め」

と言い、私のグラスにビールを入れてくれた

そんな龍くんを健太くんが見て

「龍、あんまり飲ませないで」

「いいじゃん」

いつも無愛想な龍くんは、今日も相変わらずの無愛想で、みんなとの会話が成り立っていなかった

それでもBlacksは龍くんがいないとだめで、みんな龍くんを必要としている

「龍また別れたんだってな」

「うん」

「お前、ちゃんと本気で付き合おうよ」

祐介くんが言った

「うん」

「本気で好きな人見つかるといいね」

私は龍くんに言った

「いるから」

はあ?いる?

「えっー!いるの?」

余りにも驚いてしまった

「龍、俺も初耳だな」

健太くんもびっくりしたようだ

「では、龍の恋に乾杯~」

すっかり酔っ払っている祐介くんが龍くんに言った



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