やさしい手のひら・前編【完結】
校長先生の長い話が始まり、
由里はもうすでに夢の中へ入っていて、
私も喋る人がいなく退屈で周りを見渡していた

凌・・・

一番後ろの席で凌が座っていた
クリスマスから会っていないので久しぶりに凌を見た

「アッ」

目が合ってしまい、私は視線をずらし前の方を見た
悪いことをした訳でもないのに私の心臓が早く動き出す
久しぶりに凌を見たので私自身びっくりしたのだろう・・・

ブルブルブル

バイブにしていた携帯が震えた
私は振動が聞こえないように急いで携帯を開いた

健太くんからだ・・・

『寝坊しなかったか?』

私は携帯の画面からすぐに目を健太くんへ向けた
健太くんはニコッと笑い私を見ていた

そしてその視界の途中に凌がいた。どうしたらいいのかわからないでいたら

「終わった?」

由里が目覚め、話しかけられたことに安心してしまった

だらだらと続いた始業式がやっと終わり、
由里と体育館を出て、階段を登っている途中

「亜美!」

振り返ってみると凌がいた

「クリスマス大丈夫だったんだな」

「あの時はありがとう。いろいろあったけどちゃんと健太くんと仲直りできたから・・・」

「そっか。よかったな」

私の頭を撫でながら。私と由里を抜かし先に上がって行ってしまった

その時、後ろの方で健太くんが見ていた



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