やさしい手のひら・前編【完結】
「亜美、亜美」

私の大好きな人の声が聞こえる

ゆっくり目を開けると裸の健太くんがいた

「私…」

自分も裸と気付き、また気を失ったことがわかった

「また気を失わせちゃったな。きつかったか?」

「ううん。ぜんぜん」

「俺、理性保てなかった」

「愛されて嬉しいよ」

「亜美」

いきなり私を抱きしめた
そしておでことおでこをふっつけて二人で笑い合った

こういうことが幸せなんだ

「明日学校なんだよな。しかも今日始まったばっかだよな」

「また早起きの毎日だね」

「亜美起こしてね」

「一回だけだよ。二回目起きなかったら先に学校行くから」

「だめ、困るし」

「じゃあ、ちゃんと起きてね」

明日から毎日一緒にいられることがとても嬉しかった

「朝ご飯食べる?」

「うーん、今まで食べたことない」

「じゃあ食べない?」

「食べれないからいらないわ。その分寝てれ」

「うん、そうするね」

「よし、遅刻できねぇから寝るぞ」

「うん」

私は健太くんにしがみ付いて眠りについた



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