やさしい手のひら・前編【完結】
歩いて学校へ行ける距離なので私と健太は徒歩で登校した。お財布に入ってるカードキーが私にはとても嬉しくって仕方がなかった

私と健太は玄関で別れた

「帰りちゃんと迎えに行くから」

「うん、わかった」

健太は手を振り、2年生の教室へ向かって行った

「朝からべったりだねぇ」

後ろを向くと由里と祐介くんがいた

「そんなことないよ。由里だって一緒にいるじゃん」

「まーねー登下校ぐらいはねー」

「あっ、由里。私健太のとこにいるから」

由里は不思議そうな顔をしていた

「はあ?どういう意味?」

「うーん、一緒に住むってことかな」

「えっーありえない!」

驚いた由里の顔が可笑しくて笑った

「なんでなんで?」

「私がそうしたいって言ったら、お母さんがいいよって・・」

「いいなーいいなー私も一緒に住みたぁい。ってことは昨日から?」

「うん、昨日からもう一緒にいるよ」

「あんた達大胆なことするねぇ。うらやましいけど。祐介くんも一人暮らししないかな~」

「二人で遊びに来てね」

「うん、行く行く」

きっと私はみんなより恵まれている。たまたま健太が一人暮らしということで一緒にいれるんだ

「っていうか、亜美いつの間に健太になってんのよぉぉー」

「エヘヘヘ」

「亜美と健太くんには負けるわ」

そんな会話をしながら教室に入った



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